最近、引っ越しました。同じ集落の徒歩3分の場所へ。山から川沿いに。
10年住んだカビっぽい家から檜原村の木で建てた新しい家に。会社を立ち上げるタイミングで借り、白い寝息を吐きながら過ごした厳寒の家。徐々に社員も増え、宴会の度に窮屈になっていたけど、愛着のあるオンボロの家を離れるのは少し寂しい感じがしました。それでも人生で初めて新しい家に住み、なんて素晴らしいところで生活ができるのだろうと感謝する日々。集落のお祭りも終わり、少し慌ただしかった夏も終わろうとしています。季節の変わり目で、不安定な天気の檜原村はしっとりと雨で濡れた艶っぽい木々に包まれています。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。ご無沙汰しておりました。。。
前の家はまだ夜明け前の薄暗い中から鳥のさえずりが聞こえていました。
新しい家は、川のせせらぎで目が覚めます。
お日様が昇ってきて徐々に山肌が浮かび上がり、山の上に陽があたっているような様は、見慣れた風景でも息をのみます。
また、夕暮れ時は山の緑真っ赤な夕焼け空が広がり、思わず「あ〜〜」って言いたくなる、そんな瞬間。
雨上がりの晴天に浮かぶ緑の中をランニングしたときの胸の高鳴り。
大きな雲がいっぱいに広がる青い空。
ヒグラシの声。
近所の方々から釣った川魚や獲った肉、採れたてのみずみずしい野菜をいただき、その地で育まれた食材を料理した肴に地酒喜正、季節限定の冷酒を飲む贅沢。
観光客の方々が、お日様が高くなってから檜原村を訪れ、夕暮れ前に帰っていく様子を見ていると、「もったいないですよ〜!」って教えてあげたい気分になります。
これから新しい家で迎える四季折々の移ろいに胸が躍ります。
新しい家で迎える秋はどんなだろうか。
なんとなく色づき始めてきたなと思っていたら、ある朝突然鮮やかに染まる山々。
冬は一夜で雪景色となる朝のキラキラした瞬間。透き通った満天の星空。
新緑が芽吹く時期、山が徐々に膨らんでいく様子が日々感じられる幸せな瞬間。
春にはふきのとうを探し求めて山に入り、てんぷらにして家で酒を飲むのかな。
妄想は膨らみます。
そんな檜原村の風土で育まれ、東京チェンソーズが伐り出し、地元の製材所で製材、天日で干し、雨よけした場所でじっくりと寝かせた木。
その木で建てた家の第一号が我が家です。
最近はそんな木を使いたいと言ってくれる方々が増えています。
見知らぬ木ではなく、自分が知っている木を使いたいと。
二酸化炭素の排出量だって自分の目に見える範囲。木を伐採するチェンソー、通勤や運搬に使う車や重機、木を挽く製材機、大工道具など。
そのように人の息吹が感じられる木をどう使いやすくするか。
値段や流通の仕組みなど工夫が必要です。
もし、そんな木を使いたいという方がいらっしゃいましたらお声がけください。
最近は足袋を履いて山の現場へ行くことは減ってしまったけれど、新しい楽しみができました。