相変わらずの梅雨空ですね。 久しぶりに梅雨らしい梅雨ではないでしょうか。 学生の頃の梅雨は、机がベタついて嫌だなぁとか思ってましたけど、 最近はベタつくような梅雨ではないような気がします。 そんな憂鬱な梅雨ですが、この季節特有の楽しみがあります。 そう、、、ホタルです。 東京にいながらにして、天然のホタルを鑑賞できるなんて! 檜原村に来るまで想像もしていませんでした。 子供の頃、毎年夏休みになると 大阪から夜行列車で盛岡に出て、宮古経由で三陸鉄道に揺られ、 高鳴る胸の鼓動を抑えながら、三陸にある祖母の家に行き、 約1ヶ月の夏休みを海と山で過ごしていました。 そこは、街で暮らす子供にとってはまさに天国のような場所。 材木屋の土場の木屑を探せば、カブトムシを見つけて興奮し、 川に行けばきれいな水が流れ、 橋の上から眺めれば、魚がたくさん見えるのに、なぜか釣れず、、、 (住んでいた大阪はドブ川なのに簡単にフナとかナマズ、コイなどが釣れていた) 海に行けば、不思議なヤドカリやカニ、小魚に胸をときめかせ、 海中に潜れば、様々な魚に会うことができました。 そして、夜になると田んぼにホタルが乱舞する姿を見て、 子どもながらにして、溢れんばかりの「生の鼓動」に触れ、 「田舎って最高!」と思っていました。 さて、話はだいぶそれてしまいましたが、タイトルにある通り、 「美林」について話したいと思います。 私みたいな、まだ林業経験の浅い未熟な人間が「美林」について話すのは気が引けますが、 「東京美林倶楽部」という名前をつけた以上、その根拠を話さなければならないですよね。 美林をかたくいえば、 「天然美林」といわれる木曽ヒノキ、秋田杉、青森ヒバ と 「人工美林」といわれる吉野杉、天竜杉、尾鷲ヒノキ が有名です。 残念ながら、、、青森ヒバ、天竜杉、尾鷲ヒノキはまだお目にかかれていないので、時間を作って会いに行きたいと思います。 森林組合に勤めていた当時は比較的休みを取りやすかったので、いろいろな山を見に行きました。 京都の北山杉では、山がまるで畑のように管理されてる様子を見て、その美しさに感嘆するとともに、 役物ニーズが低迷したことで衰退していく様子に驚きもしました。 また、そんな状況下でも、京都の街中では、住宅の庭木に台杉が使われていて、その風流なセンスに「さすが京都!」と感銘を受けたり、 庭木としてなら台杉のもつ雰囲気は、京都以外でもウケるのではないかなと思ったりもしました。 また、木曽ヒノキや秋田杉も間違いなく素晴らしかったのですが、 天然物を良しとするなら、限りある資源ということになるので、資源の管理が難しいだろうなと感じたりもしました。 そして、2011年の秋、作業道ブームということもあり、作業道の可能性を確認したいと思い、縁あって吉野を訪れました。 きっかけは、その年の夏に埼玉で作業道関係者の集まりがあるという情報をゲットし、 参加した懇親会で吉野の林業家の方と話をする機会を得たことでした。 「山を見に来なよ」というお誘い(社交辞令ともいう)に、秋には訪れてしまいました。それが、清光林業の岡橋さんでした。 会社を立ち上げて5年目。 社員も入れ替わったばかりで、入社2年目の新人3人を木田ひとりに押し付け、勝手に約1ヶ月の休みを取り、 車に仕事道具を詰め込み、吉野へと向かいました。 吉野では連日現場に同行させていただき、作業開設の見学や少しの手伝いをして過ごしました。 また、製材所や加工所、または杉皮を扱う今では珍らしい会社など吉野の街に流れる木の文化に触れることで、東京にはない刺激を受けることができました。 そんなある日、作業道開設のお手伝いの合間に、1日時間を作っていただき、樹齢150年の山を案内していただきました。 まさに、「美林」。
吉野の美しい山

吉野の美しい山

  人の手で、リレーのように世代を超えて手をかけ続ければ、こんなに素晴らしい木を、林を、山をつくることができるのかとまさに驚愕しました。 樹高30m以上の杉が林立し、その下には広葉樹の森、天然美林に引けを取らない美しさ。そんな山が目の前に広がっていました。 人の手で育てることができるということは、「限りある資源」ではなく、「再生産可能な資源」ということになります。 そして、そこに道があることで、その資源を活かすことができる。 それって、会社の理念にある「地球の幸せのために」にも通じるよね。これが、自分が目指す山なんだと確信をしました。 しかしながら、一朝一夕にはできないのが、林業の良いところでもあり、辛いところでもあります。 吉野から戻った後、同じ檜原村にある田中林業さんの山を改めて見させていただきました。 やはり同じように美しい山と道がありました。田中惣次さんも繰り返しおっしゃっています。 「山には道を入れなければならない」 「目指すものがある」ということは、とても幸せなことです。 こんなすばらしい山があれば、杉花粉がどうとか関係ないよねって思いますがいかがでしょうか。 東京美林倶楽部という名前は、 「林業関係者だけではなく、街の人と倶(とも)に楽しみながら」「東京に美しい林をつくりたい」と思い、名付けました。 補助金に頼らなくても確実に手入れが行き届いた山をつくるために、その費用を先に確保したい。 それが、入会金という制度になり、そのお金を切り崩しながら皆さまとともに丁寧に山をつくっていきたいと思います。 私たちが、再生産可能な美しい山をつくり続けることができれば、 いつまでも、美しい川が流れ、ホタルが舞い、カブトムシを取ることができる環境をつくり続けることができるはずです。 さて、今このブログを書きながら、ハッと気付きました。 会社の社員全員に「吉野の美林」を早く見せなきゃいけなかった。。。 見せる見せると言いながら、時間だけが過ぎてゆく。 いつもどこか抜けていて詰めが甘いのです。 今年中にはこの思いを社員全員で共有いたします!