青木ブログ

時間

今、家を建てています。
もちろん自分で建てるようなことはしません。建ててもらいます。

東京チェンソーズが檜原村にある社有林の木を伐採・搬出し、檜原村の製材所で製材し、檜原村の大工が建てる家。
設計だけは、国立のWAKUWORKS和久さん。この方も近いうちに檜原村に事務所を構えるとか。
オール檜原村産。
昔は当たり前だったことを、今やろうとしています。
製材所の社長からは贅沢だなと言われました。
時代が変わると、あたり前だったことが贅沢になる。
先日、新幹線で京都に行きました。
久しぶりに乗る新幹線は素敵なフォルム。何かとても贅沢をしている気分で、少し後ろめたさを感じました。
あっという間に京都へ。「そうだ、京都へ行こう」というキャッチフレーズがありますが、まさにそんな時間感覚。
東京から京都に行くより、自宅から東京へ行く方が時間がかかるという距離と時間のねじれ。
時間と言う概念が少しおかしくなりそうです。
京都はもう少し遠くあってほしい、きっとそんな人もいるのではないでしょうか。
仕事をしているので、東海道を使って徒歩や自転車で行くわけにはいきませんが、車やバイクならちょうどいい距離感を感じられます。
18きっぷで大垣夜行(今のムーンライトながら)を使えば、最高です。
きっと、現代の感覚ではこちらの方が贅沢になるんでしょう。
林業の時間はゆっくりです。
今も昔も変わりません。
60年生の杉を育てようとすれば、60年という時が必要になります。
60年前の人が植えた木を使って、今、家を建てようとしてます。
その家がさらに60年間使われれば、その杉は合計120年生きることになります。
その廃材がパークティルボードなどに再生されると、形を変えてさらに長く使われていきます。
先人が大切に木を植えてくれたおかげで、今、その木を使わせていただくことができます。
ありがとうございます。
おかげさまで、良い家が建ちそうです。

木を植えることは、長い旅への出発点なんですね。

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写真は、京都駅から近鉄線に乗り換えるところ。ホッとします。

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