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「タネ」から暮らしを見つめ直す。

先日檜原村で開催された「タネが危ない!」という講演会を聞いてみて、とても興味深い内容でしたのでご紹介したいと思います。もし、「食」に興味のある方は読んでいただければ嬉しいです。

もともと自分自身は「食」についてそれほどアンテナを張ってないし、美味しければなんでもいい。ビジネスホテルでサラダバーとかあるとテンション上がる傾向にありますが、もともと「食」に並々ならぬ関心をもっている妻の影響、そして実際に畑を借りてちょっとした野菜を育てるようになったこともあり、最近は少しずつ興味をもつようになってきました。

概ねノンストップ5時間の話だったので丁寧に説明すると長くなるので、大事なところだけご紹介すると、以下ような感じだと思います。(違っているところもあったらごめんなさいm(_ _)m)

木の香りに包まれた会館で行われた5時間ノンストップの講演会。時間を感じさせない興味深い話が続きました。

<講演会の話の要点>・・・ちょっとややこしいです・・・
①市販されている大手種苗メーカーのタネは「F1種」と呼ばれるタネが多い。
②昔当たり前だった固定種のタネはできる作物が均一ではないため、今の流通には乗らないので、廃れていってしまった。ただしカタチは悪いが味はF1種に比べてとてもよいそう。
③固定種の欠点を補い品質の均一化と大量生産に応えるために作られたタネがF1種(交配種)。理想的な形状の野菜から雄しべをとって他の野菜の花粉を受粉しないようにして作られたタネ。
雄しべを取ることで他と交雑しないため、その理想的な野菜を大量につくることができる。
④しかし、種苗メーカーは毎回雄しべを取るのは大変なので、大量に作られた形の良い野菜の中から遺伝的に雄しべのない野菜(雄性不稔=男性機能のない種)を見つけ出し、その野菜のタネをつくることで、いちいち雄しべを取らなくても、カタチのそろった野菜を大量生産できるようなタネを作ることに成功した。
⑤F1種のタネは一代限りで実を結ばないないため、農家は大手種苗メーカーからF1種のタネを買い続けなければならない。(農家は買った種から新たに種を取ることができないので、種苗会社は儲かる)
⑥全ての野菜のタネがF1種になったわけではない(ジャガイモなどはまだ)が、現在市場に出回っている野菜はそのような「雄性不稔」のタネから作られたものが少なからずあるそう。
⑦ある埼玉の畑では、固定種のタネから作られた野菜は野ネズミに食べられたが、F1種のタネから作られた野菜は食べられなかったそう。(実例が少ないからたまたまかも)

要するに雄性不稔のF1種のタネから作られた野菜ばかりを食べ続けることは非常に危険だそうです。自分たちが普段食べている野菜に問題があるなんて夢にも思いませんでした。(農薬のことは気になっていましたが、それ以前の問題ですね!)
タネの世界でも効率化が求められていたとは知りませんでしたし、世界で販売されているタネのほとんどは5社ほどの多国籍企業が所有しているとか。タネを制するものは世界を制しますね!

檜原村で暮らすようになって気づいたことと今回のお話を聞いて感じたことが重なりとてもしっくりときました。
それは、これまで普通だと思っていた街での生活は今の大量生産、大量消費の名残りで、ビルが立ち並びモノが溢れ、便利なように感じるけど、、、実際のところはそれが一人一人の暮らしにとって良いことなのかよくわからないということ。
村での生活は、自分の身の丈にあった目の行き届く暮らし方が中心なので安心して生活できること。便利では決してないけど、不足もそんなにない。足りないものがあれば、そこではじめてパソコンを開いてポチッとして賄えば良い。自分の暮らしは自分で作るもので、自分の目の届かない社会に任せてしまうとリスクを伴うということ。
普段は「◯◯は危ない!」「◯◯が一番!」みたいな話は絶対主義に走りがちで近づきたくないのですが、そんな押し付けがましい感じもなく好感が持てる講演会でしたよ。
今回、野口勲さん(野口のタネ社長)の講演を聞いて、世の中には知らないことがまだまだたくさんあるなぁと感じ入ってしまいったので、得意なネタではないのですがブログに書いてみました。もしもっと詳しいことが知りたい方は野口のタネのホームページをご覧ください。http://noguchiseed.com

チラシに載っている豆は、檜原村の地大豆で「鑾野大豆」

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