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第二の人生

今日は12月25日。
巷はクリスマス。
朝5時前に起き、朝風呂に入りながら瞑想したり、ipadで映画を観たり。
ipadで映画が観れるということを最近知りました。
今日は有村架純さん主演の「ビリギャル」という映画。
8時に秋川のコメダ珈琲に移動。たっぷりコーヒーのモーニングBセット。
朝7時開店で夜は11時まで営業。無料のWiFiもあるし、520円で贅沢な時間を過ごせるので結構好きです。
続きを観ながらコーヒーをすすります。
今年で40歳になりました。
そんな男がクリスマスにひとりで朝のモーニングを食べながら、目をうるうるさせている少し気持ち悪い感じ。
早いもので人生80年とすると折り返し地点に来たことになります。
その節目の年に「檜原村の木の家」を建てました。
そんな木の家に住んでみて感じていることを少しお話ししたいと思います。

新しい木の家に引っ越して5ヶ月。
初めての冬を迎えています。
「実感を持って木の家の良さを伝えられるようになりたい!」と言うことでスタートした「檜原村の木の家」。
実際住んでみてどうなのか。良いのか悪いのか?

まずはどんな家かはこちらをご覧ください。設計を担当していただいたWAKUWORKSさんのホームページです。

引っ越してみて最初に感じたことは木の家の圧迫感でした。
どこを見ても「木」という感覚。
壁や床の板目の模様と建具の柾目に目が慣れていかない。
林業という仕事をしていて、木を見慣れているとはいえ、家に帰っても「木」という、なんと表現していいのかわかりませんが、圧迫感からくる窮屈さを感じました。
元々生まれてから、そのような環境で暮らしたことがないので、違和感があったのかもしれません。
本物に身体が慣れていない感覚とでも言いましょうか。。。
これが一時を過ごす喫茶店などであればいいのですが、自分のネグラとなるとまた違うのです。
自分自身が長年住み慣れたよくある普通の家の空間の方が落ち着くという残念な感覚。
そんな自分に愕然。。
五感は長年の生活がとても影響を与えるということを身をもって感じました。
やはり、小さい時から本物に触れてないと「本物に出会った時」に違和感を覚えるようになってしまうのですね。
天然乾燥の木材を使っているせいか、冬になって空気が乾燥してきたこともあり、木が動く「バシッ」という音が頻繁に起こるようなります。
木の床にはサワラを使用。柔らかい木なので本来床材には向きませんが、山から伐り出した木にサワラの良材が多かったため使用してみました。
MARCOの爪痕(たまに戯れて暴れる愛犬です)や椅子の足跡、物を落とした時にできた凹み等、確かに普通に考えると床には向かないかもしれません。すでに傷だらけ。。

こんなことばかり書いていると悪いことばかりが強調されてしまう。笑
さて、そうは言っても5ヶ月も住んでいるとようやく慣れてまいります。
そのような環境に慣れてくると、じつは最高に気持ちのいい空間となるんです!

構造材に太めの杉材を贅沢に使った造りに安心感と温もりを感じます。
大黒柱と中黒柱には杉の8寸角の通し柱。
この木を山から伐り出した会社のみんなの苦労がしのばれます。(ほとんど社有林の木を使用)
60年前に植えていただいた方がいたおかげで、今この木の家に住める幸せ。
前の家は冬になると家の中で洗濯物が凍る寒さで、妻はヒマラヤ登山用のノースフェイスのダウンズボンを履いて生活していました。笑
今の家はとても暖かいです。断熱材(これも木)もしっかり入っていて、二重窓。
家が暖かいって素敵です。

そして、なんといっても素晴らしいのが、家の随所に手仕事の痕が感じられるところ。
壁板の節埋めの痕や造りつけの家具がピタッとハマっている感覚。
丁寧な仕事を感じます。
自分たちのために建築家と大工、製材所が工夫を凝らして建てた痕跡がいたるところにあり、人の温もりも感じるのです。
つくり手の顔が見えるってこうゆうことねと実感をもって再認識でき、嬉しくなります。

風呂はハーフユニットのサワラ貼り。お湯を張ると木の香りがフワァっと心地いい。
最近は毎朝4:45に起床し、朝風呂に入りながら本を読んだり、休みの日には映画を見たりしながら過ごします。
これまでほとんどシャワーしか使わず、湯船に入る時間がなんだかもったいないと感じていたのですが、1時間でも平気で入れるようになりました。
なんだかとても丁寧な生活ができている気がします。
本を読む時には音楽をかけていますが、木の部屋から聞こえてくる音が耳に心地よく響きます。

自分では馴染んでわからなくなってしまいましたが、お客様がみえると皆さん木のいい香りがすると言います。
そのような香りが自分の嗅覚のベースになっているんだなと思うと嬉しくなります。
台所から漂う妻の手料理の匂いもふんわりと柔らかく感じます。
実は木の家は味覚にも影響してきます。野外で食べる食事が美味しいということと同じかもしれません。
和食の美味しいお店は内装も素敵ですよね。
なにより食事の見た目も引き立つし、匂いも良いし、食事から沸き立つ湯気と木の家の感じが素敵なんです。
ひとりの時によくレトルトカレーを食べるのですが、高級カレーに見えます!笑

歩いているとミシッという音と反発してくる足裏のサワラ床の感覚。
冷たい暖かいという温熱感覚が刺激されます。
内臓器官と足裏は神経回路が繋がっているそうなので体にいいかもしれません。
それに畳の足触りも気持ちがいい。
元々畳が好きなので、しっかりとした畳を入れました。
無性にゴロゴロしたくなります。

木の家は手がかかると言われますが、ずぼらな性格のせいかそれほど面倒に感じません。
もちろん手入れはキチンとしながら大切に住んでいきたいと思いますが、実際のところ掃除機をかけるくらい。

檜原村の木の家。
今は新しい木の空間に包まれて生活していますが、年月を経るごとにどのように馴染んでいくのか、木の表情がどのように変化していくのかとても楽しみです。
30年後の家の姿を想うとワクワクします。
ロマンスグレーな感じの家になるのでしょうか。
まだ新しい家の生活も5ヶ月です。これから色々あるでしょう。
でも、木の家に住んで一番感じるのは、生活の中で五感が刺激されるということです。
コレってと結構大事なことだと思います。
そして、とても丁寧な生活を送れるようになりました。
折り返しの第二の人生が楽しみです。

それでは、そろそろ家に帰ります。
今日は大掃除です。
前の家の生活で使っていたいらないものがたくさんあるので、断捨離パーティです。

皆さま、良い年をお迎えください。

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